大阪府は「明治」が貝塚市の関西工場で製造した牛乳から動物用医薬品スルファモノメトキシンが検出されたとして食品衛生法に基づきおよそ４万４０００本を回収するよう命じました。動物用医薬品スルファモノメトキシンの入った「明治牛乳」飲むとどんな健康被害が出るのでしょうか？またその後はどうなるでしょうか？
回収が命じられたのは主に宅配用として製造・販売されている瓶詰商品の「明治牛乳」で大阪府岸和田保健所が今月６日に行った貝塚市にある明治の関西工場への検査で動物用医薬品のスルファモノメトキシンが検出されたということです。回収対象は今月１３日が賞味期限のおよそ４万４０００本で、現時点で健康被害は確認されていません。
スルファモノメトキシンは動物用医薬品として使用される抗菌薬です。細菌の葉酸合成を阻害することで、細菌の増殖を抑制します。スルファモノメトキシンを飲むと以下のような効果が期待できます。
尿路感染症、腸炎、呼吸器感染症などの細菌感染症の治療
コクシジウム症、トリコモナス症などの原虫感染症の治療
ただし、スルファモノメトキシンには、以下のような副作用が報告されています。
ショック、アナフィラキシー様症状
血液障害（溶血性貧血、白血球減少症、血小板減少症）
肝障害、腎障害
発疹、かゆみ
下痢、嘔吐、腹痛
特に、アレルギー体質の人は、ショックやアナフィラキシー様症状を起こす危険性が高くなります。また、血液障害などの重篤な副作用が起こる可能性があるため、用法・用量を守って使用することが大切です。
スルファモノメトキシンを飲む際には、以下の点に注意してください。
医師の指示に従って、用法・用量を守って使用してください。
アレルギー体質の人は、医師に伝えてください。
副作用があらわれた場合は、直ちに医師の診察を受けてください。
また、スルファモノメトキシンは、以下のような薬と併用すると、相互作用を起こす可能性があります。
葉酸を補給する薬
メトトレキサートなどの葉酸拮抗薬
バルビツール酸系薬
フェニトイン
併用する薬がある場合は、医師に伝えてください。
関西工場で製造された「明治牛乳」は、関西を含む西日本全域や中部、北陸地方に出荷されているということです。スルファモノメトキシンは、牛や豚などの感染症予防や治療に使用される抗菌物質で、食品衛生法では搾乳前７２時間以内の使用は禁止されています。
