9月14日日本皮膚科学会は、公式サイトで日本テレビに抗議文を出したことを明らかにしました。抗議したのは9月7日放送の日本テレビ「ザ!世界仰天ニュース」で取り上げられた「ひどい肌荒れがまさかの方法で回復」の放送内容ですどんななようだったのでしょうか。
仰天ニュースで『脱ステロイドで美肌に!』という内容が放送・・。
— やさしい皮膚科医 (@S96405539) 2021年9月7日
80年代のTVによる『ステロイドバッシング』では、多くのアトピー患者さんが騙され健康被害を受けました。
令和でも不正確な医療情報を流す番組が有るのは残念です。
TVの健康情報を鵜呑みにせず、信頼できる医師と相談しましょう😌 https://t.co/Bwy11oezNz
サイトによると「そのなかには、「ステロイドは本来体内で作られるが、ステロイド薬の使い過ぎにより体内でステロイドが作られなくなった。」(23:53)や、「再び体内で作られるようにするには、ステロイド薬を断つしかない」(24:09)といった、科学的に明らかに根拠のない内容もあり、患者さんへの悪影響が懸念されるとしています。
【報道関係の皆様へ】
— わくたよしのぶ【アトピー肌のくすり屋】 (@wakunobu) 2021年9月7日
本日の
ザ!世界仰天ニュースで放映された
脱ステロイド治療に関する内容は、
アトピーやその他皮膚疾患を抱え、
皮膚科でのステロイドを使った治療に取り組んでいる方々に不安と誤解を与えるとても危険な内容だと感じます。
外用のステロイド、顔に使用するランクの強さで↓
日本皮膚科学会、日本アレルギー学会、日本臨床皮膚科医会、日本皮膚免疫アレルギー学会、日本小児アレルギー学会、日本小児皮膚科学会、日本アレルギー友の会(患者会)は以下に当番組の問題点を指摘しますとした上で、4点について指摘したました。
- ステロイド外用薬の使用を、種類も使用法も区別すること無く否定し、ステロイド外用薬を用いた治療中の患者さんに恐怖と不安をあおる内容であったこと。
- 脱ステロイド「療法」という用語を用いることで、ステロイド外用薬を使わないことをひとつの治療法として、あたかも疾患が治るかのごとき期待を抱かせる内容であったこと。
- ステロイド外用薬を使うことの危険性を把握し、「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」に沿って診療を行っている医師と患者さんに不必要な不安と妨害を与えるものであったこと。
- 番組を視聴した結果、多くの健康被害をもたらす可能性が高いこと。
「1990年代に始まったステロイド外用薬に関する誤解や誤った報道により、『脱ステロイド』と呼ばれる不適切な治療が横行し、多くの患者さんが不利益を被った歴史があります。日本皮膚科学会では『アトピー性皮膚炎診療ガイドライン』を策定し、標準治療の普及に努めて参りました。その結果、ステロイド外用薬に関する誤解や誤った報道が減ってきましたが、今回またこのような番組が放送され、医療の混乱を来すことは、看過することができません」としました。
仰天ニュース『脱ステロイド番組』の監修は藤澤皮膚科とのこと。
— やさしい皮膚科医 (@S96405539) 2021年9月7日
同院は5歳の女の子に
・脱ステロイド
・イソジン消毒等の独自治療
を行い症状を悪化させて訴えられ、
「症状の悪化は治療行為によるもの」
と裁判所で確定し640万円の支払いを命じられました。
監修担当として適切でしょうか? https://t.co/ZUfwzhtONJ pic.twitter.com/TdjBGH6jlf
「マスメディアは科学的根拠に裏打ちされた情報を基に、患者さんの利益になる番組を制作することが使命であると考えます。そのため、当番組を制作・放映したことに対して、日本皮膚科学会、日本アレルギー学会、日本臨床皮膚科医会、日本皮膚免疫アレルギー学会、日本小児アレルギー学会、日本小児皮膚科学会、日本アレルギー友の会から連名で日本テレビに対して厳重に抗議しました」と記載したようです。