佐賀県の小中高校で新型コロナウイルスのクラスター（感染者集団）が確認された学校の生徒や保護者に対して誹謗中傷の被害が発生しているとのことを受け、県の対策本部会議で、山口祥義知事らが学校関係者への誹謗中傷をやめるよう呼び掛けました
佐賀市の県立佐賀工業高では、学校や生徒に対して「なんで学校に行けるの」「どんな指導をしてきたのか」などの誹謗（ひぼう）中傷が寄せられているそうです。専門家は「感染した人を敵視したり、批判したりするのは筋違い」としています
佐賀県佐賀市緑小路1番1号 / 電話 : 0952-24-4356（代表）
佐賀工業高には1月20日までに生徒９人の感染が確認され19日午前中から、数十件の電話が寄せられたとそうです。学校側が生徒に行った聞き取りでは「通学する列車の中で避けられた」「制服で佐賀工業高の生徒だとすぐに分かる。周囲からの目線が気になった」などの声が上がったそうです。保護者から「職場にしばらく来ないでくれと言われた」という連絡もあったということです。
保護者にまで誹謗中傷
県などによると、ある高校では保護者が職場への出勤を拒否されたり、生徒が自動車教習所の利用を拒まれたりしたとのことです。副島政史校長は、これまで以上に感染対策を徹底していくとした上で「安全で安心した生活を早く取り戻せるようにしていきたい」と話したとのことです。また対応策として29日まで登校時間を遅らせ、乗客が多い時間帯を避けるようにしたそうです
県内で3校のクラスターが発生
また佐賀県内では別の学校でも同じ学校に通うと言うだけで歯医者の治療を断られたケースも出ているとのことです。クラスターが発生した学校は、保健所の指導を受け、感染拡大の恐れがないことを確認した上で再開。濃厚接触者など感染の可能性がある関係者には行動自粛を要請しています
学校名を報じた佐賀新聞
新型コロナウイルスに関し、佐賀市の佐賀工業高でクラスター（感染者集団）が発生したことを伝える記事（１９日付２０面）で、複数の読者から「なぜ学校名を出したのか」「大きく報道されたことで、生徒たちが変な目で見られる」といった意見が寄せられました。新型コロナは県内でも感染が拡大傾向にあり、１月に入ってからは学校や保育所などでもクラスターが発生しています。コロナ報道に関しては当初から「正しく恐れ、防ぐ」というスタンスで、感染拡大を防止するための正確な情報を出すように努めています。とコメントしています。
