10月26日19:30からスタートする予定だった、渋谷区公認のバーチャル空間を使ったハロウィーンイベント「バーチャル渋谷 au 5G ハロウィーンフェス」が、アクセス集中のためのシステム不具合のため、同日21:00にイベントを延期することが発表されました。
アクセス集中のためイベント延期
バーチャルでも密になり来場自粛の可能性
ただいま、大変アクセスが集中しており、
正しく表示されないというお問い合わせを、多く頂いております。
現在、状況を改善するよう作業を続けております。
今後の予定につきましては、21:30を目途に、Twitter、YouTube Live、
会場アナウンスにてご報告させていただきます。
予定の時間になってもライブははじまりませんでした。会場にはたくさんのハロウィンのコスをしたアバターが駆け付けていました。
大変申し訳ございません。
本日開催を予定しておりました、
バーチャル渋谷 au 5Gハロウィーンフェス
オープニングレセプションと、バーチャルMiniLiveですが、
アクセスの集中によるシステム不具合の為、
本日のイベントは延期させていただきます。今後の詳細アナウンスについては、
改めて渋谷5Gエンターテイメントプロジェクトの
公式SNSアカウントにてアナウンスさせていただきます。
少し時間が過ぎてアナウンスがありました。参加者が多くアクセスしたためサーバーにアクセスに負荷がかかりシステムの障害がでたというバーチャル空間ではよくある話です。せっかく5Gの性能を体験できると楽しみにしていましたが、最初がコケてしまうとバーチャル空間の、風向きがつよくなりそうですね
※こちらは当日の映像ではありません
バーチャル渋谷にはみなさんのご自宅やオフィスのパソコン、スマートフォンからアクセスができます。インターネット上にコンピューターグラフィックで再現された渋谷の街の中をアバターという自分の分身を操作して街中を探索できます。同時刻にログインした他のアバターとチャットで会話ができて、お友達どうしでも一緒に街を探索することができます
なぜシステム障害になったのか
バーチャル渋谷に限らずバーチャル空間は同時にログインしたアバターの動きがリアルタイムで反映されるため1つのサーバー上で処理しなくてはなりません。そのため同時にログインする数が増えるとサーバーに負担がかかり従来の動きができなくなるのです。ホームページなどでもアクセス数が増えてサーバーダウンということをよく聞きますが仕組みは同じです。
システム自体の問題
実際にログインした感じでは正常時(街に数人しかいない状態)でもすでに負荷を感じることがあったので、概ね想定内でしたが当日実際に会場にいたアバターの数はそれほど多くなく元々のシステム自体が軟弱であった可能性もいがめません。負荷テストなどを行って許容範囲を把握していれば入場制限(アクセスが上限に達したら制限をかける)などかければ問題ないレベルの話かとおもわれ、やはりと言った感じがしました。
大手企業がバーチャル空間に参入しないわけ!
実はバーチャル空間は2007年頃に日本国内で話題となり大手企業がたくさん参入していた時期がありました。アメリカのリンデンラボという会社が運営したいた「セカンドライフ」というサービスで仮想空間内にシムという1つの島をレンタルするとその島をオリジナルの島に作れるサービスでした。当時大手企業はオリジナルのシム(島)を作って企業PRとして使用していました。
2007年エイベックスのバーチャル空間
日本でバーチャル空間が流行り出したのは2007年頃でアメリカのリンデンラボ社が運営する「セカンドライフ」というバーチャル空間の中にエイベックスの作ったバーチャル空間もありました。TRFや浜崎あゆみさんのファンイベントなどが会場で開催されていました。
2007年エイベックスアトラクション
2007年にセカンドライフ内で開催されたTRFアトラクションの映像です。ワールド内ではTRFの曲に合わせて参加したアバターがダンスをするというイベントでした。動画の音楽は音楽著作権の関係で当時の音楽とは違うBGMに変更されています
近年のバーチャル空間
バーチャル渋谷に似たサービスで2016年に神奈川県の小田原市の市民活動団体と地元中高生ボランティアが制作したバーチャル小田原城というコンテンツがありました。こちらも同時ログインが可能で小田原駅周辺の街並みが再現されていました。しかしこちらもアクセス数が伸び、市民ボランティアレベルの予算では賄いきれなくなりサービス終了となっています
2014年 バーチャルオリンピック
こちらの映像も2014年にセカンドライフで開催されたバーチャルオリンピックのフィギュアスケートの様子です。実際の5組の参加者がアバターを操作して競技が争そわれました。しかしサーバーダウンの危険を回避するため入場制限を50名程度に絞っての開催が精いっぱいでした
キャパが100名程度で使い物にならなかった
その当時もバーチャル空間を使用したイベントは行われていましたが70名近くアクセスしたレベルでサーバーダウン!とても何千人レベルのイベントができるレベルではありませんでした。大手企業ではその過去の失敗からバーチャル空間への参入はトラウマになっているようです。今回の件もあるいみ予想通りの結果という見方が多いと思われます
課題は儲け主義とコストの問題
バーチャル空間は大学でもかなり前から研究されていて2007年頃は東京大学でも専門に研究しているサークルも存在しました。高負荷に対応できるサーバーを作ろうとするとコストがかかり、その割に利用者が少ないと最初はそこまでコストをかけられないのが現実です。そこにシステムで儲けようとする企業などの思惑が加わり利用ユーザーが増えたらサーバーをグレードアップさせようという考え方で毎回失敗を繰り返してきた歴史があります。今後の課題はやはり予算儲けよりシステムありきの開発が必要とおもわれます。まだまだ本格的なバーチャル空間の運用は先が長い感じがします