東京オリンピック開会式に出演予定だった俳優の竹中直人さん65歳が、36年前に障がい者や女性を揶揄するコント「放送禁止テレビ」に出演していたことを理由に、開会式の本番前日の7月22日に、自ら申し出て出演を辞退していたことが、「週刊文春」の取材でわかったそうです。竹中直人さんの「放送禁止テレビ」はどんな内容だったのでしょうか?
問題視されたシーン
竹中さんら一行が白杖を振り回して、映像には、信号機のメロディを頼りに横断歩道を渡る視覚障がい者を揶揄するように、竹中さんをはじめとした一行がリズミカルに白杖を振り回し、笑いを取る場面が収められている。また、屍姦四十八手として、竹中さんが死体を模したセーラー服姿のマネキンに様々な性的いたずらをするコントもあった。
「放送禁止テレビ」
当時の竹中さんのコント(放送禁止テレビ1985年頃の竹中さん)
竹中直人「放送禁止テレビ」
出演者
- 久本雅美(WAHAHA本舗)
- 柴田理恵(WAHAHA本舗)
- 渡辺信子(WAHAHA本舗)
- 根本幸絵(子役)
- 喰始(WAHAHA本舗)
- 鈴木正人(WAHAHA本舗)
- 鈴木健治(子役)
- 林家こぶ平
- 直喜祐美(子役)
- 亀田美幸
- 吹越満(WAHAHA本舗)
- 松田洋子
- 梅垣義明(WAHAHA本舗)
- 佐藤正宏(WAHAHA本舗)
- 平井貴之
- 村松利史(WAHAHA本舗)
- 中山宏子(WAHAHA本舗)
- なんきん(WAHAHA本舗)
- 深沢寛
- 泉晴紀
- 松岡慎
- 小林昌子
- 竹尾学
- 菊池和香子
- 吉浪洋一
収録コント
- ミュージカル その1
- 葬式クイズ
- 屍姦の48手
- 出身地当てゲーム
- テレフォン・ショッピング
- ミュージカル その2
- 車椅子の正しい使い方
- 松葉杖の正しい使い方
- 死体の正しい使い方
- 青年の主張
- スタント・ベイビー
- ディナー
- 放送禁止用語しりとり
- ミュージカル その3
- ボカシ・ピンポン
- 楽しき家族 その1
- 女性器家族
- 楽しき家族 その2
- 書の心
- 演芸会
- 夢の69
- 覗き部屋
- ヤリキュラ・マシーン
- 市民大学講座 核と人間
- シンクロナイズド・スイミング
- 家具SM
- ミュージカル その4
- ドミノ倒し
- 嘔吐エンディング
開会式を巡っては、作曲担当だった小山田圭吾さんが過去に同級生をいじめていたことが問題視され、7月19日に辞任しました。演出を統括するショーディレクターだった小林賢太郎氏も過去にホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)を揶揄するようなコントを演じていたとして、7月22日に解任されていました。
小山田さんの問題が発覚してから、組織委員会は慌てて開会式スタッフの過去の経緯調査を行調査ったようです。それに引っかかったのではないかとおもわれます。今回問題視された竹中さんは1985年に「竹中直人の放送禁止テレビ」というオリジナルビデオを発表しています。そしてその中で障がい者を揶揄するようなコントを演じているのです。ビデオは内容が過激だったために、版元が自主回収したとされていますが、「週刊文春」は独自に内容の一部を確認したようです。
竹中さんは、開会式序盤の木遣り歌とダンスのパフォーマンスで女優の真矢ミキさんとともに、大工の棟梁役を演じることになっていたようです。
7月21日に行われた通しリハーサルでは、棟梁役は真矢と竹中の2人でした。竹中さんはノリノリで大工たちを盛り上げ、図面を見ながら指示を出す演技をする予定でした。ところが小林さんが解任された7月22日、竹中さんも辞任を申し出たようです
「放送禁止テレビが原因で辞任したのは事実のようです。小山田さんの問題が浮上した時、竹中本人から「三十六年前にこういう作品に出演している」と連絡があり、辞退したいと申し出てきたそうです。ただ、この作品では竹中は演者で企画者でもプロデューサーでもないので、一旦は「予定通りお願いします」となったようですが小林さんが解任された際、コントでの言動が問題になったことで竹中さんも許されないと考えて、本人から組織委に申し入れ、承認されたようです