近年の台風や豪雨では今まで想定できなかったような災害が多く発生しています。その原因の1つとして車なら絶対安全という間違った認識から起こるケースが多く見られます。そこで今回はプロドライバーの目線から水害時に起こる車両のトラブルや万が一の時に命を守る運転の仕方について書いてみたいとおもいます。
大雨時に起こる運転への影響
- 視界が悪くなる
- 路面が滑りやすくなる
- 冠水による脱輪
- 冠水によるエンジン停止
- 冠水による転覆
- 冠水によりドアが開かなくなる
- 土砂崩れに巻き込まれる
視界が悪くなる
雨が強く降ると前方だけではなく360度、視界が悪くなります。豪雨時などは歩行者や自転車などが道路中央付近まで出てきている場合がありますので接触事故などのリスクが非常に高まります。速度落としていつでも止まれる速度で運行します。また普段からガラスコーティング剤などを使用して雨天時でも視界がクリアーに保てるようにしておくと安心です。
路面が滑りやすくなる
降水量が増えると道路が川のようになり路面が滑りやすくなります。1番の原因はタイヤの溝の深さに不足による排水性の低下から起こります。一般的にタイヤ溝の深さが1.6ミリ以下になったら交換時期です。目安としてはタイヤの側面に△形のマークがある分にスリップラインというタイヤ溝が1段高くなっている部分があります。この部分の溝がなくなった状態だと大変危険ですので、すぐに交換が必要になります。
冠水による脱輪
さらに雨量が増し路面が冠水によって見えない状態になると大変危険な状態です。一般的には1時間の降水量が50mmを超えると冠水が発生しやすくなります。水面下でマンホールのふたが浮かびあがったり、道路と側溝の境界線がわからなくなり脱輪などを起こし車が走行できなくなる可能性があります。特に駆動輪が脱輪した場合は自力での脱出はほぼ不可能になります。近くの車両に助けを求めるか車から降り安全な場所へ避難することをお勧めします。日ごろから牽引ロープなどを常備しておくと安心です
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冠水によるエンジン停止 転覆
渋滞緩和のためにできた線路や道路の下を通過する様な箇所は豪雨時や大雨時はできるだけ通行せず迂回するようにしましょう。一般的な車両の床の高さは約30センチです。SUVタイプでも50センチ程度ですので水深がそれ以上ある場合は水没して脱出できなくなる可能性が非常に高いです。またマフラー(排気口)の出口は低い物では20センチ位の車もありますので、マフラーから水が入るとエンジンは停止してしまいます。多少の量ならエンジンを空ぶかしすることで貯まった水は排出されますがエンジンが始動困難になり再スタートできないケースがありますので充分注意が必要です。
冠水によりドアが開かなくなる
雨が降り続いている状態で冠水しエンジンが停止してしまった場合などそのまま車両内にいると車両ごと流されたり、転覆する可能性もあります。車両が浮かび挙がったらそれ以上の走行はほぼ不可能です。車両は前方から転覆していきますので後方にもドアがある場合は後部ドアから脱出するようにしましょう。またここまで来ると水圧でドアが開かない場合が多いので窓をあけて窓から脱出するか窓が開かない場合はガラスを割って脱出をします。万が一に備えて脱出用ハンマーなどを常備しておくと命が救われる場合もあります。また救出時などシートベルトが外れない場合などにもカッター付のハンマーがおすすめです
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土砂災害に巻き込まれる
山岳地帯や山道など山沿いを走る道路は突然の土砂災害に巻き込まれる可能性があります。多くの道路はある一定の降水量を超えると通行止めになりますが道路管理車両が残った車両が無いかなど確認作業などを行う為すぐにすべての道路を通行止めに出来るわけではありません。できるだけ山間部を通過するルートは避け、また安全な場所で待機をして雨の弱まるのを待ちましょう。その場合早めに身内や知人に現在位置を連絡しておきましょう。万が一の時に救出される可能性が高くなります。
まとめ
まとめとしましては、梅雨時期や台風シーズンは外出の際は目的地までの天候をよく確認して運行ルートを計画するようにしましょう。また出来るだけ不要不急の外出を控えるようにしましょう。車も大事ですがそれ以上に命が大切です。状況によっては車を乗り捨て避難する場合も必要です。その判断は早ければ早いほど安全に脱出できる可能性は高くなります。危険を感じたら先に進まず、まず安全な場所に車を停車して待機してから避難するようにしましょう。また豪雨時などの対応も敏速なロードサービスなどに加入しておくのもお勧めです