2021年5月9日午前11時頃(日本時間)に中国のロケット大気圏再突入はと米軍が予測しています。大気圏再突入、落下時刻と落下場所!予測について調べてみました。アメリカ国防総省のオースティン国防長官は、ロケットの残骸が大気圏に再突入する場所は数時間前にしか特定できないとして、追跡を続けています
2021年5月9日午後12時20分ごろ頃(日本時間)に中国のロケットがモルディブ周辺海域に落下したもようです。
落下場所とみられる海域
正確な場所ではありません! モルディブ周辺海域に落下したようです
迎撃態勢か?アメリカ軍発表
中国のロケットが近く大気圏に再突入し、残骸が地表に落下するおそれが指摘されている問題で、アメリカ軍はロケットが日本時間の5月9日午前11時ごろに北大西洋上空の大気圏に再突入すると予測しています。
アメリカ軍は中国が4月29日独自の宇宙ステーション建設のために打ち上げた大型ロケット「長征5号B」が近く大気圏に再突入し、残骸の一部が燃え尽きずに地表に落下するおそれがあるとして分析を進めています。
アメリカ軍が情報を提供しているウェブサイトは5月8日、最新の情報を更新し、ロケットがこのあと日本時間の午前11時すぎに大気圏に再突入すると予測しています。ただ、この予測時刻には前後1時間の幅があるとしています。
アメリカ軍が予測する落下場所
44°04'39.8"N 29°39'23.2"W
再突入の場所については、ポルトガル沖合の北大西洋上空と予測する一方で「再突入の時刻が1分異なれば落下場所は470キロ変わる。正確な場所は落下後でないとわからない」ともしていて、監視を続けています。
ライブ映像!ロケットの落下場所
このロケットについて中国外務省は「ほとんどの部品は大気圏に再突入する過程で燃え尽きてなくなる。危険が生じる確率は極めて低い」と主張しています。
このロケットについて中国外務省は「ほとんどの部品は大気圏に再突入する過程で燃え尽きてなくなる。危険が生じる確率は極めて低い」と主張しています。
過去の「落下」ケース
宇宙空間から大型の人工物が落下し地表まで到達した例として、1979年にアメリカの宇宙ステーション「スカイラブ」が大気圏に再突入し、オーストラリアに多くの破片が落下したことがあります。また、ロシアの宇宙ステーション「サリュート7号」は1991年に大気圏に再突入し、南米・アルゼンチンに破片が落下しました。いずれの例でも被害は報告されていません。
一方、中国が去年5月に打ち上げたロケット「長征5号B」は、大西洋の上空で大気圏に再突入した際、破片の一部とみられる物体がアフリカ・コートジボワールに落下し、地元のメディアは複数の建物に被害が出たと報じました。
アメリカの「スカイラブ」が落下した際に、宇宙空間に打ち上げた物体を安全なところに落下させることの重要性が議論されましたが、今のところ国際的なルールはなく、各国の宇宙機関の方針に任されているのが実情です。
日本上空で撮影 様子を確認
中国のロケットが近く大気圏に再突入し、残骸が地表に落下するおそれが指摘されている問題で、静岡県富士市に設置されたカメラで9日午前3時50分すぎに撮影された映像では、ロケットと見られる明るい光が動いている様子が確認できます。
映像を撮影した神奈川県の平塚市博物館の学芸員、藤井大地さんによりますと、ロケットと見られる光は、北西から南東に向けて移動し、雲に入って見えなくなったということです。
大気圏再突入直前の長征5号Bロケット(CZ-5B,48275/2021-035B)を撮影することができました。2021年5月9日3時51分に、富士から北の高い空に向けた広角カメラで見た様子です。高度が落ちてきているため、普段見られるISSよりも明るく、速く移動していきました。平塚は雲で観察できませんでした。 pic.twitter.com/BN5Wl8lI3Z
— 藤井大地 (@dfuji1) 2021年5月8日
藤井さんは「国際宇宙ステーションよりも明るく、早いスピードで移動していった。ここ数日、同じ光が撮影されているので、中国のロケット、『長征5号B』であることは間違いない。今、予測されている軌道で動いているとみられる」と話しています。