10月26日、群馬県と国土交通省関東地方整備局は、明和町大輪の薬品製造会社「国産化学」群馬工場の排水から基準値を超える水銀が確認され利根川と新堀川をつなぐ導水路で水質汚染の可能性もあるとして川に入らないよう呼びかけています。
どんな被害が想定されるか
工場排水から基準値を超える水銀がでると水銀は生物濃縮性が高いため、水生生物や魚介類の体内に蓄積されます。これを摂取した人間は、水銀中毒を引き起こす可能性があります。水銀は土壌や河川に蓄積され植物や動物に影響を与える可能性があります。また水銀は大気中に放出され、酸性雨やオゾン層破壊に寄与する可能性があります。
具体的健康被害
神経障害：手足のしびれ、運動障害、言語障害、視力障害など
腎障害：腎臓機能の低下
肝障害：肝機能の低下
発達障害：胎児や幼児期に水銀に暴露されると、知能障害や発達障害を引き起こす可能性があります。
日本では工場排水の水銀濃度を環境基準で定めています。環境基準を超える水銀が検出された場合は、工場は水銀の排出を抑制するための対策を講じる必要があります。
主な対策としては、以下のものが挙げられます。
水銀を使用する工程の見直し
水銀の回収・再利用
水銀除去装置の設置
工場排水から基準値を超える水銀がでないように、工場は適切な対策を講じることが重要です。
原因は調査中で工場火災との関係
同工場では9月17日、火災事故が発生していて工場への定期立ち入り検査を25日に実施し26日に採取した排水を分析したところ通常は検出しない水銀が確認され同日午後7時現在工場からの排水は停止しているそうです。原因は調査中ですが今後、基準値の1リットルあたり0・005ミリグラムをどれだけ上回っているかなど詳細に分析するそうです。
