東京都世田谷区を走行中の小田急線車内で乗客１０人が包丁で切られるなどして重軽傷を負った事件で、殺人未遂容疑で逮捕された川崎市の36歳自称派遣社員が20歳の女子大学生に切りかかる様子が、車内カメラの防犯カメラに映像が映っていたことが捜査関係者への取材でわりました。女子大学生は胸など７か所を切られて重傷で、警視庁は強い殺意があったとみて、映像の解析を進めている。
緊急速報10月31日
捜査関係者によると、事件後、警視庁が各車両にあった防犯カメラの映像を確認したところ、対馬容疑者は６日午後８時２５分頃、登戸駅で６号車に乗車し、７号車に移動。座席にいた女子大学生の胸をいきなり包丁で切りつけた後、包丁を振り回し、逃げようとする女子大学生の背中などにも傷を負わせていた。
東京都杉並区の会社員男性は「『間もなく下北沢に到着します』という車内アナウンスの直後、隣の車両から数十人が押し寄せてきた」と話しています。また、東京消防庁によりますと、逃げる際に転んでけがをした人を含めると、あわせて１０人がけがをしたということで、このうち２０代の女性１人が重傷だということです。９人は軽傷で全員意識はあるということです。近くにいた別の乗客の男女４人も切り傷を負ったほか、転倒するなどして負傷した人もいた。容疑者は、女子大学生と面識はなく、「誰でもよかった」と供述しています。女子大学生に切りつけた後については「興奮していて覚えていない」と話しているという事です。
容疑者はその後、８号車でサラダ油をまいてライターで火をつけようとしたが失敗。車外に出た後、特徴的なデザインのＴシャツを脱ぎ、裏返しに着直して逃走した。追跡を免れようとしたとみられています。
8月６日午後８時半頃、世田谷区の小田急線祖師谷大蔵駅近くの上り快速急行の車内で若い男が刃物を振り回し、複数の乗客を刺しました。捜査関係者によりますと、少なくとも４人がけがをしているということですが、けがの程度は分かっていません。犯人は30歳の男性で、先頭車両から7号車まで刃物を持って移動したそうです。先頭車両にいた女性は背中を7箇所刺されたようです。警視庁は８日、対馬容疑者を殺人未遂容疑で東京地検に送検。自宅アパートの捜索でパソコンやタブレット端末などを押収したほか、事件が起きた車両の検証を行った。
