6月30日に千葉県は、芋や茎が腐って枯れる「サツマイモ基腐病」に感染した可能性があるベニアズマの苗が県外から県内15市18販売店に出荷されたと発表しました。発病すると周辺の健全な株に感染し翌年も発生する恐れがあるため、県は、症状が出た場合は最寄りの農業事務所に連絡するよう呼び掛けています。
サツマイモ基腐病の注意喚起について
発表日:令和3年6月30日
農林水産部安全農業推進課
他県で生産され、サツマイモ基腐病に感染した可能性のある苗(※)が千葉県内に出荷されたとの情報が寄せられたことから、県では、販売店等の協力を得ながら注意喚起を行っています。葉が黄色くなるなど、家庭菜園などで本病と疑われる症状が見られた場合は、最寄りの農業事務所に御連絡くださるよう、お願いします。
なお、本病の発生は、千葉県内ではこれまで確認されていませんが、複数の県で発生していることから、今回の事例に関わらず御注意ください。
1 サツマイモ基腐病とは
サツマイモ基腐病は、カビ(糸状菌)が原因でサツマイモの腐敗や葉・茎が枯れる病気です。発病した株でつくられた胞子ほうしが雨水うすいや畑にたまった水で移動し、周辺の健全な株に感染します。また、発病した株の残さが畑に残ると、翌年も発生するおそれがあります。
県内では、本病の発生は確認されていませんが、平成30年に沖縄県で初めて確認されて以来、年々発生地域が拡大しており、令和3年6月現在、鹿児島、宮崎、熊本、福岡、長崎、高知、静岡、岐阜、群馬、茨城の計11県で発生が確認されています。
2 当該苗(※)の県内への出荷時期及び出荷量
令和3年4月21日~5月28日
ベニアズマ 77,450本(面積換算 約2.2haに相当)
3 県の主な対応
(1)当該苗の流通及び疑わしい症状が出た場合の農業事務所への連絡について、以下のとおり注意喚起を行っている。
種苗販売店でのチラシの店頭掲示
市町村や農業協同組合等の関係機関からサツマイモ栽培者への周知
(2)他県で本病が発生していることから、今後も広く周知を図るため、関係機関、市民農園、農作物直売所等と連携し、チラシの掲示・配付や、広報誌、ホームページ、SNSなどを活用し、注意喚起を行っていく。
4 注意喚起に御協力いただいている販売店(13市15店)
船橋市
- 中里種苗店
館山市
- 川上種苗(株)
松戸市
- (有)種伊商店
松戸市
- 渡辺種苗(株)
東金市
- (有)東金渡辺農事
柏市
- (有)山崎種苗
市原市
- 杉田種苗(有)
八千代市
- (有)長野種苗
我孫子市
- 磯岡種苗(株)
八街市
- (有)岩渕種苗店
印西市
- 根本農園(有)
- 山口種苗園
匝瑳市
- クワタ種苗(株)
山武市
- (有)岩澤種苗店
いすみ市
- (有)鈴木種苗本店
県安全農業推進課によると、4月21日~5月28日に約7万7千本(面積換算約2・2ヘクタール相当)が出荷され、各店で販売されたとみられています。6月15日に国から県に情報が寄せられましたが千葉県内ではこれまで、サツマイモ基腐病の発生は確認されていないようです。
千葉県は販売店へのチラシ掲示や県ホームページなどで注意喚起しています。同課は「湿度が高い梅雨は病気が広がりやすい。早めに畑の様子をみてほしい」としています。サツマイモ基腐病は、カビが原因で芋が腐敗し葉や茎が枯れる病気。2018年に沖縄県で初めて確認されて以降、茨城や群馬など11県に広がっている。