東京オリンピック聖火リレー
著名人削減含め見直し検討
公道観衆懸念
政府が東京オリンピック、パラリンピックの聖火リレーで公道を走る著名人ランナーの削減を含めた見直しを検討していることが2日発表しました。これは新型コロナウイルス対策として石原さとみさんなど著名人を目的に観衆が殺到することを懸念したためのようです。政府、東京都、大会組織委員会からなるコロナ対策調整会議が同日発表した中間整理でも「著名人ランナー等の対策」を今後の重点課題として挙げました。
五輪聖火リレーは来年3月25日に福島のサッカー施設とJヴィレッジを出発し、7月23日の五輪開会式まで121日間実施する予定です。各都道府県の実行委員会や聖火リレースポンサーは著名人をランナーに選考し、故郷や企業のPRにつなげようとしています。
主な聖火ランナーの著名人
古坂大魔王(青森)タレント
のん(岩手)女優
サンドウィッチマン(宮城)タレント
壇蜜(秋田)タレント
田臥勇太(栃木)バスケットボール
羽生善治(埼玉)棋士
石川さゆり(東京)歌手
亀梨和也(東京)アイドル
加山雄三(神奈川)歌手
小林幸子(新潟)歌手
五木ひろし(福井)歌手
松井玲奈(愛知)女優
鳥羽一郎(三重)歌手
片岡愛之助(大阪)歌舞伎役者
笑福亭鶴瓶(兵庫)落語家
イモトアヤコ(鳥取)タレント
広末涼子(高知)女優
石原さとみ(長崎)女優
指原莉乃(大分)タレント
具志堅用高(沖縄)元ボクサー
(カッコ内は走る場所)
2020年12月1日現在
2021年3月1日現在最新情報はこちら
観客のクラスターを懸念
しかし、政府は121日にも及ぶ長期のリレー期間を懸念しています。どこかでクラスターが発生すれば逆効果どころか大会を中止しなくてはならなくなるからです。実際にコロナの感染拡大が始まっていた3月、採火式を実施したギリシャ国内での聖火リレーは、ランナーのハリウッド俳優に観衆が殺到し、わずか2日で中止に追い込まれていたようです。
誰が交代されるか?
政府関係者は聖火リレーは主に公道で実施するため、集まる人を制限できない。呼びかけ程度の注意喚起しかできないため、著名人の削減を含めた見直しがコロナ対策として浮上したようです。一方で開会式など入場制限が効く会場の著名人ランナーは対象外となる方向です。
聖火リレースポンサー企業が撤退
オリンピック組織委員会は著名人ランナーが減ると10社ある五輪聖火リレーの協賛企業も撤退する可能性があると心配しているようです。昨年のオリンピック延期決定後、一貫して今年予定していた1万人の聖火ランナーと、走行ルートになっていた47都道府県の859市区町村を基本的に維持するとしてきたからです。
武藤事務総長コメント
オリンピック組織委員会の武藤事務総長は「機運を盛り上げるために選んだ方々。今の時点で(見直しを)考えているわけではない」と回答していますが、直前での変更ではスポンサーの納得が得られない可能性も高くランナーや観覧客、スタッフ、地域住民の安心安全を確保するため、年内に同リレーの感染予防策を作成することになっているようです。