辞書を編む専門家が選ぶ「今年の新語 2020」の選考発表会が11月30日に発表されました。候補となる言葉はインターネットや書店を通じて一般から広くから募り、応募総数は昨年を大きく上回る4871通、重複したものを除いて、候補となる言葉として713語もあつまりました。
言葉(新語)を公募します
2020年に「よく見た」「よく聞いた」言葉をご応募ください。応募フォームまたはTwitterによるウェブ投稿をお待ちしております。異なる内容の投稿であれば、何度ご投稿いただいてもかまいません。募集期間は9月1日から11月11日まででした
選考委員がベスト10を選びます
辞書を編む専門家が選考委員となり、公平・公正な観点から「今年の新語2020」ベスト10を選定し、国語辞典としての言葉の解説(語釈)を付します。
選考発表会を行います。
選考発表会(日時は後日発表)にて「今年の新語2020」ベスト10を発表いたします。選考結果は本ウェブサイトでも公表し、応募者の方々に抽選でプレゼントをお贈りします。
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今年の新語2020大賞は「ぴえん」で決定
今年の新語大賞は「ぴえん」に決定しました。
ぴえんとは、軽い泣き声でネット上で少し悲しい時に使っていたようです!
ぴえんの使い方
- ちょっとぴえんな状況になってしまったよ
- 全然、ぴえんだよ
- お給料が減ってぴえんだよ
「ぴえん」は選考委員みなが一致で決定しました。「コロナの時代で、この「ぴえん」というのを推したくなる」と審査員の小野教授がコメントしています。もともとは軽い泣き声を意味する言葉で、SNSなどで使用されている言葉でした。
その他の受賞された新語
第2位 自粛警察
「〇〇警察」という使い方は、言葉を正す「言葉警察」や和装にチェックを入れる「きもの警察」など以前からあったが、指摘する人を警察という共通理解がなかった。ただ、「コロナの時代になって、自粛警察とかマスク警察とかニュースで報道されるようになって、みんながこの概念を理解するように至った」
3位 「密」
4位 「リモート」
「リモート」は今後も辞書に入っていきそうな言葉。リモート帰省、リモートお見舞い、リモート法事といったようにいろいろな言葉と一緒に使われるようになった。帰省しなくても画面で顔を合わせることで帰省になるなど概念から新しくなったとした。似た使い方で「オンライン」もあるが、リモートで映えるファッションのことを「リモ映え」というように「リモート」は省略して使われるケースも多くみられるという
- 5位:マンスプレイニング
- 6位:優勝
- 7位:ごりごり
- 8位:まである
- 9位:グランピング
- 10位:チバニアン
結果は新型コロナウイルスに振り回されている2020年を象徴するランキングになったようです。結果を受けて行われた「国語辞典ナイト」も盛り上がりました!
その他ランク外の新語
- 「ソーシャルディスタンス」
- 「ステイホーム」
- 「クラスター」
- 「アマビエ」
- 「ロックダウン」
- 「手指(しゅし)」
他の新語・流行語ランキングとは違い、『大辞林』『新明解国語辞典』といった三省堂の辞書を作っている言葉の専門家たちが「2020年を代表する言葉(日本語)で、一過性ではない、将来、辞書に掲載されてもおかしくない」言葉を選ぶ。そのため、選ばれるのは「今年特に広まったと感じられる新語」であり、必ずしも「今年生まれた言葉」には限らないのが特徴。候補語のなかから、特定のジャンルやコミュニティーに偏らず、使用する人の層や広がり、使用頻度の高さを考え、来年以降も使われるであろうという言葉を認定していまする。
誰が選ぶのか?審査員は
発表会には、選考を行った『三省堂現代新国語辞典』の編集主幹の小野正弘明治大学文学部教授、『三省堂国語辞典』の編集委員の飯間浩明氏、三省堂の山本康一辞書出版部長・大辞林編集部編集長が出席。
選考基準は?
「これからも使えそうなものがベスト10。選外というのは、このために使われていて、コロナ禍がなくなったらば消えるんじゃないか、消えてほしいという願いも込めている」と話しています「辞書を作る人間が選ぶんですから今後もずっとこの言葉が日本語として残ってほしいなという願いを込めて選んでいる。そうすると、ソーシャルディスタンスというのがこの先何年もス続くのは嫌」とコメントしています