中国は日本時間の24日午前5時半すぎ、中国南部・海南島の衛星発射場から、無人の月面探査機「嫦娥(じょうが)5号」の打ち上げに成功したと発表しました。中国として初めて、月の土壌を採取し地球に持ち帰る予定です。月面探査機来月12月2日ごろ月面に着陸し月の土壌を採取し地球に持ち帰る予定です。
打ち上げ瞬間の動画
中国では「宇宙強国」を掲げ習近平指導部が、2022年ごろ、独自の宇宙ステーションの建設を計画をすすめています。またアメリカや日本なども2024年の月面への有人着陸を目指しており、アメリカと中国の争いは宇宙開発をめぐっても激しさを増してくることが予想されます!
文昌衛星発射センター 場所
文昌衛星発射センターは中国の最南端、海南島の東部にあります。海南島は南シナ海の北部に浮かぶ島で、面積は日本の九州とほぼ同じくらいです。緯度は北緯18~20度とフィリピンやヴェトナムなどとほぼ同じ位置にあり、熱帯気候に属します。白い砂浜、美しい海、豊かな緑といった大自然に囲まれていることから「中国のハワイ」、もしくは「東洋のハワイ」とも呼ばれ、中国本土に住む人々にとっては、新婚旅行でここを訪れるのがひとつのステイタスになっているようです
嫦娥5号の任務
嫦娥計画第三段階の月探査機で、計画第三段階に実施するサンプルリターンを任務としています。嫦娥5号は海南省の文昌衛星発射場から発射され、月面で自動的にサンプルを採取して月から戻る予定です
着陸地点
中国の宇宙開発史上最初
4点で実現を計画
- 月面自動サンプリング
- 月面離陸
- 38万km以上離れた月周回軌道上での無人ドッキング
- 第二宇宙速度まで加速して月の土壌サンプルとともに地球に帰還
嫦娥5号の構成
嫦娥5号は、軌道船と帰還船、離陸船と着陸船から構成される。設計された2種類のサンプリング機構を搭載し、サンプルの種類を増やしている。一つは鏨を打ち込んで比較用の深層土壌を採取する。もう一つはロボットアームで有効範囲内をかき取って月の土壌を収集する。二つのサンプルの比率は1:3で、表面で収集するサンプルの方が多い。採取後、離陸船はサンプルを搭載して月面の着陸船上から上昇し、軌道船とドッキング後に土壌サンプルを帰還船に移動させる計画です
搭載機器
- 着陸用カメラ
- 光学カメラ
- 鉱物スペクトル分析器
- 土壌気体分析器
- 土壌構造探測計
- サンプリング切断面温度測定計
- 岩石ボーリング機ならびにサンプリングマシン